立食婚活パーティー2
立食形式の婚活パーティー。
好みの相手がいないと思っていたら、テーブルを移動した先で状況は一変した。
男性グループがテーブルを移動すると、改めて乾杯をして、自己紹介が始まる。
これまで、こなしてきたテーブルの経験から、自分が口火を切って自己紹介は開始し、他の男性が続くという形が出来ていた。
そのため、このテーブルでも同様に進行し、男性のボケに他の男性が突っ込む形で場を盛り上げた。
ふと、自分の隣を見ると、可愛らしい女性がこの一連のやりとりを結構笑ってくれていた。
これはチャンスと思い、個別に「今日は何してきたの?」「どういう仕事をしてる」などの会話をして距離を縮めていった。
彼女を伊織さんと呼ぼう。
伊織さんは病院勤務で、詳しくは分からなかったが専門的な仕事をしているらしい。
その病院は都心から離れているため、普段は都内に出てくることはあまり無いそうだ。
控えめな性格で朗らかに笑う彼女の笑顔に話しながら癒されていると、主催者からテーブルチェンジの号令が掛かった。
もっと話したかったけど、制限時間に阻まれてしまった。後ろ髪を引かれつつ、次のテーブルへ移動した。
こんな調子ですべてのテーブルを回ると、主催者からフリータイムの合図があった。