本好き彼女と葛藤の間で6
年齢が一回り下の知佳さんとのはなし。
彼女が年齢差を気にするかどうかの答えが出ていなかったので、改めてデートをして確認することにした。
今回のデートは彼女が好きな本に関する内容にした。
待ち合わせは、都内にある読書カフェ。
店内にはたくさんの本が置いてあり、カフェ利用者は自由に読める場所だ。
ふたりでカフェに入ると、ものすごい量の本に圧倒された。これを全て読もうと思うと一生かかってしまうのではないかと思えるぐらいの本が所狭しと置いてあった。
お互いに飲み物を頼み、読みたい本を探して座席に戻った。
自分は直ぐに読み終えるように短編集を手に取った。彼女はよく読むという作家の作品を手にしている。
本を読みながら飲み物を飲みつつ、ときどき会話をしながら1時間ほど過ごした。どうやら、知佳さんもこのカフェを気にってくれたようだ。よかった。
お互いの読んだ本の感想を述べあったりなどしているうちにランチタイムの終了時刻になったので、別の場所へ行くことにした。
次に向かったのは大型書店。
ふたりでいろいろなコーナーを巡りながら本について話した。
知佳さんはいろいろな本に興味を示すので、話していて楽しい。こんな時間が今後も続くといいと良いのにと改めて思ってしまう。
書店内で本巡りをしていると、辺りも暗くなったのでご飯を食べに行くことにした。
入った店内でも料理を待っている間、食事をしながら本の話が尽きなかった。
「楽しい、この空間がすごく楽しい」
そんな気分で心が一杯になり、この関係を壊したくないという感情が自然と湧いてくる。
しかし、自分には知佳さんへ年齢差について確かめないといけない。そうしないと、いたずらにお互いの時間を使ってしまう。
心の中で確かめたい気持ちと、このままにしておきたい気持ちの二つが葛藤する。
どうすればいいんだ。