いろいろな出会い2
パートナーエージェントでのファーストコンタクトで出会った人の話。
今回はそらさん(34)
接客業の仕事をされている方だ。
そらさんは自分の希望条件には合致していなかったが、コンシェルジュからのオファーで紹介された方だった。
当日、待ち合わせ場所のデパートの入口で待っていると、そらさんは真っ赤な唇にワンピース姿で現れた。
そのワンピースは、露出度が結構高く、自然とその豊満なバストへ視線がいってしまう。
あぶない、あぶない。
お見合いの席で、胸ばっかり見ていては相手に気づかれてしまう。しかし、男の性として、見ないままにしておくことはできない。
気づかれないように、時折、チラチラと見ながら、心の中で欲望と理性の葛藤の攻防がおこなわれつつ、喫茶店で面談は始まった。
そらさんとは、趣味や興味が合うものが多いらしく、話はかなり弾んだ。
ただ、そらさんがこれまでの方と違ったのは、彼女からの独特な質問だった。
それは「相手にされたら嫌なことは何ですか?」というものだった。
質問された瞬間、この質問の意図と、ベストな回答は何かと瞬時に考えてしまった。
しかしながら、考え込んでいては不自然だと思い「嘘をつくこと」と少し考えて答えた。
いま振り返って考えても、この質問の真意は分からない。自分の答えは正解だったのだろうか。
そらさんとは1時間ほど話してコンタクトは終了した。
自分の希望条件とは少し合わないのだが、話していて楽しかったので、帰り道で即座に「YES」回答をした。
その後、数日経ってもそらさんとのコンタクトの結果の連絡は来なかった。
コンシェルジュに聞いてみると、そらさんから1週間ほど回答を待ってほしいとの要望があったそうだ。
うーん、間違いなく誰かと比べられている。たた、並行活動が可能なパートーナーエージェントでは仕方のないことだ。彼女からの回答を待つしかない。
こうなってしまうと、こちらの高まっていたテンションも低くなってしまう。そのまま、1週間が過ぎ、2週間ぐらいだった頃に「NO」回答との連絡があった。
今回は、なんだか相手に振り回された出会いだった。
断られるなら、もっと胸を見ておけば良かったな。そんな負け惜しみが、自然と口に出た。