本好き彼女と葛藤の間で5
一回り離れた知佳さんとの初詣デート。
彼女が自分を恋愛対象と思っているのかどうかを確認するために、自分の気持ちを打ち明けた。
「本の話などいろいろとできて楽しかった。もし、年齢差を気にしないならば、お付き合いしてほしい」
駅へと続く帰り道で自分の気持ちを知佳さんにぶつけた。
彼女は少し困った顔を見せながら
「えっ!!そんな風に想ってるとは思わなかった」と、か細い声で声を発した。
そんな言葉を聞いてしまうと、彼女はこれまで僕らが会ってきた回数をどう思っていたのだろうかと疑いたくなる。
やはり、友達としての感情だったのか?
「やはり、年齢が離れているのが・・・」
ようやく絞り出した彼女の次の言葉が、自分の胸へとグサリと突き刺さる。年齢の壁はやはり厚いのか。
その後、彼女からはもう少し考えさせてほしいとの言葉が続いた。このまま関係を続けてもお付き合いできる可能性は低いかもしれない。だけど、その低い可能性に一縷の望みをかけてそれを了承した。
深刻な話をしたせいで、気まずい空気の中、僕らは別々の路線へと別れていった。
気持ちを打ち明けて以降、連絡の頻度は若干減ってしまった。
ただ、そのままにしておいては、逆転ホームランを打つ可能性も無いので、以前と同様にLINEでのやり取りは続いた。
そして、一月が過ぎたが、彼女からの明確な答えはなかった。
その頃、自分は別の方法で婚活を真剣に行おうと考えていた。そのため、それを始めるためには知佳さんとの関係に決着をつける必要があった。
改めて、答えを聞かないと。
そんな思いから、再び知佳さんをデートへと誘う連絡をした。