恋は花火とともに3
詩織さんとの3回目は花火デートに行くことになった。
相談した結果、翌週の土曜日に有名な花火大会が開催されるので、それに行くことになった。
その週は嬉しすぎて仕事の辛さも吹き飛ぶぐらいに自分のテンションが高かった。
そして、花火大会当日の土曜日。
待ち合わせ時間に合わせて夕方に家から出発した。今回は花火会場を歩き回るので、動きやすい格好にしようと思い、デニムにTシャツ、スニーカーで行くことにした。
電車に乗って会場へ向かって行くと、徐々に乗車してくる人が増えてきた。女性は浴衣を着ている人が多いので、おそらく同じ花火を見に行くのだろう。花火への期待を乗せながら電車は進んで行った。
詩織さんとの待ち合わせは、花火大会の会場の駅だった。駅で降りると、想像以上に人がたくさんいる。さすがに全国でも有数な花火大会だ。
詩織さんからは既にメールで到着している連絡と場所が書いてあった。それに従って進んで行くと、その場所もたくさんの人が待ち合わせをしている。
「この中から見つけられるだろうか」と少し心配になりながら、どこにいるかをメールで聞くと、あるお店の横にいると返事があった。
そのお店の付近へ向かったが、なかなか見つけられない。キョロキョロと周りを見回していると、不意に声をかけられた。
この声は詩織さんだ。
声の方向に振り向くと、なんと詩織さんは薄紫の浴衣を着て、髪をいつもよりもアレンジした髪型で、その場に立っていた。
浴衣姿の彼女は、これまでに会った時とイメージが違い清楚な雰囲気をまとっていた。
彼女は本気だ。
そう悟った瞬間だった。