恋は花火とともに3
詩織さんとの3回目は花火デートに行くことになった。
相談した結果、翌週の土曜日に有名な花火大会が開催されるので、それに行くことになった。
その週は嬉しすぎて仕事の辛さも吹き飛ぶぐらいに自分のテンションが高かった。
そして、花火大会当日の土曜日。
待ち合わせ時間に合わせて夕方に家から出発した。今回は花火会場を歩き回るので、動きやすい格好にしようと思い、デニムにTシャツ、スニーカーで行くことにした。
電車に乗って会場へ向かって行くと、徐々に乗車してくる人が増えてきた。女性は浴衣を着ている人が多いので、おそらく同じ花火を見に行くのだろう。花火への期待を乗せながら電車は進んで行った。
詩織さんとの待ち合わせは、花火大会の会場の駅だった。駅で降りると、想像以上に人がたくさんいる。さすがに全国でも有数な花火大会だ。
詩織さんからは既にメールで到着している連絡と場所が書いてあった。それに従って進んで行くと、その場所もたくさんの人が待ち合わせをしている。
「この中から見つけられるだろうか」と少し心配になりながら、どこにいるかをメールで聞くと、あるお店の横にいると返事があった。
そのお店の付近へ向かったが、なかなか見つけられない。キョロキョロと周りを見回していると、不意に声をかけられた。
この声は詩織さんだ。
声の方向に振り向くと、なんと詩織さんは薄紫の浴衣を着て、髪をいつもよりもアレンジした髪型で、その場に立っていた。
浴衣姿の彼女は、これまでに会った時とイメージが違い清楚な雰囲気をまとっていた。
彼女は本気だ。
そう悟った瞬間だった。
恋は花火とともに2
詩織さんとのセカンドコンタクト。
今回のために洋服も買い、お店を予約して臨んだ。
「なんとかして次回へ繋げる」
これが、今回の詩織さんとのデートの目標だ。次につながらなければ意味がない。
婚活はある意味、常に刹那的である。その場でお相手と自分が次へ進もうと思わない限りは、その時点で縁は切れる。継続するには、男女が一緒に縁を紡いでいかないといけない。
詩織さんとの待ち合わせは、都内のターミナル駅だった。待ち合わせ時間より少し早くついたので、メールで居場所を伝える。即座にメールの返信があり、同じ場所にいると書いてある。
辺りを見回すと、少し離れたところに詩織さんはいた。女性のファッションには詳しくないのであまりわからないが、服装が似合っていて可愛い。この人とデートが出来るのだなと思うと、改めてテンションが高くなった。
自分から近寄って行くと、詩織さんも気がついたらしく、笑顔で迎えてくれた。この笑顔の時点で既に幸せ感で一杯だ。
予約したお店は駅から5分ほど歩いた大型ビルの1階にあった。オープン形式でテラスでも食事ができるおしゃれな感じのお店だ。お店に入り、店員に名前を告げると、奥の席へ案内された。
料理はイタリアン系の一品料理と各種お酒が用意されてあった。メニューを詩織さんと一緒に見ながら選んで注文する。
その後、料理とお酒を堪能しつつ、お互いの近況や家族のこと、仕事についてなどを話した。お互いに兄弟もいて育った環境は近そうだ。
今回も初回に続いて、話は途切れることがなく感触が良い。この状態のまま、次の約束をしてしてしまおうと思い、今度、どこかに出かけないかと切り出した。
言った瞬間、どのような反応を見せるかが心配だったが、詩織さんは即座に「うん」とOKの返事を返してくれた。
「よかったー」心の中で一気に不安要素が除かれた瞬間だった。次回に繋げることができた。
その後、二人でどこに行くかを相談した。
丁度、梅雨明けした直後なので、どこかの花火を見に行こうという話になった。
彼女(まだ彼女じゃないけど)と花火デート。憧れるシチュエーションだ。
恋は花火とともに1
今回は詩織さんとの話。ファーストコンタクトで詩織さんと交際が成立した。
詩織さんとは話も盛り上がったし、すべてにおいて自分好みである。この関係を途切れさせてはいけないと思い、交際成立を確認すると、即座にメールを送った。
メールを送ると、直ぐに詩織さんから返信が来た。感触は悪くない。そのままの流れで、次回の約束をすることができた。約束できたことに、心は浮かれまくった。
コンシェルジュからはアドバイスとして「デートの時はレストランを予約するなどして、特別感を出した方が良い」と言われた。そのため、本気モードの今回はおしゃれなお店を予約することにした。
ベタではあるが、ネットで「レストラン、デート、おしゃれ」で検索してお店を絞り込む。
検索をすると、イタリアンやフレンチのおしゃれなお店が並んでいた。
初めてのデートでフルコースに行ったらドン引きされると思うので、金額的にはそこそこで、ある程度カジュアルで、なおかつ、おしゃれなお店を選んで予約した。お店選びはバッチリだ(だと思う)
2回目ということで、前回のスーツよりはカジュアルに、ただし、カジュアル過ぎないような服装にしないといけない。
試行錯誤の結果、夏用のカジュアルシャツを購入した。これとチノパンを組み合わせれば少しは小綺麗に見えるだろう。
こんな風に準備を整えながら、デートの当日を迎えた。
ファーストコンタクトの支払い
パートーナエージェントで活動するようになって悩んだのは、ファーストコンタクトのお茶代の支払いだ。
公式サイトには割り勘になるとなっているが、他の人の活動ブログを読むと男性が払っていることが多いようだった。
自分としては、男性が払うことには特に抵抗はない。ただ、公式サイトに記載されているのに男性が払うと女性からどう思われるのかなと心配もあった。
また、1ヶ月に15人以上とファーストコンタクトをして、なおかつ、並行して交際相手とデートをするとある程度の費用が掛かるので、出来れば出費は少しでも減らしたいと思っていた。
この様な状態だったので、個人的な意見ではあるが、基本的には割り勘にする方針にしていた。
当然ながら、ケースバイケースで対応は変わる。コンタクトが楽しかったので自分が全額出したり、こちらが出そうとしても、断固して自分で払うと主張する方もいたので、人それぞれなんだと自分の中では結論づけた。
ただ一つ分かったのは、全額払う、割り勘にするということ自体はファーストコンタクトの回答判断への影響は少なかったと思う。
全額払ったとしても断られるし、割り勘でもOKの回答は多い。振り返ってみると、割り勘にした方がOK率が高いような感じがする。
したがって、支払い方法は女性の回答の判断基準の要素としては低いと思う。
個人の好みではあるが、経済的には自立している人、金銭感覚が合う人が好みだ。だから、2回目以降もこちらが多く払うことはあっても、少しは相手に出してもらうようにしていた。
こういう部分で相手を選ぶ選別がされるのかもしれない。
セカンドコンタクト2
パートーナエージェントで交際成立した方との2回目の待ち合わせ。本日は先日に交際が成立した薫子さんだ。
初めて交際が成立したうららさんとは、そのままの関係にしている。彼女とも連絡を取りながら既存と新規の開拓をしていこうと思う(なんだか営業みたいで、すみません)
薫子さんとの待ち合わせは、同じ日にファーストコンタクトを2件行った後だった。
さすがに3人目となると、正直言って疲労感はある。
前回と同じ場所で待ち合わせをして、イタリア系のお店に入った。
お店に入り、料理とお酒を飲みながら、初回の時の様にサッカーの話や歴史の話で雰囲気は盛り上がった。
2回目に会うときは、どの様な話をするのが一般的なのかが、よく分からない。
雰囲気作りに努めれば良いのか、それとも、今後に向けて踏み込んでいったほうが良いのか。
うららさんの時は雰囲気作りで終了してしまった。そのため、結婚に関する考え方とか、気持ちについては分からなかった。
今回は少し変えてみようと思い、結婚に対する考え方を会話の途中に差し込んで探ってみた。
その結果、結婚願望はあるけど、1年ぐらいのうちにという感じでもなさそうだ。彼女はまだ31歳なので、もう少し時間を掛けたいと思っているのかもしれない。
自分は、正直いって、年齢も年齢なので早めに結婚したい。この点で折り合う人を見つけないといけないのかもしれない。
美味しい食事とお酒のおかげで、セカンドコンタクトの雰囲気は良かった。しかしながら、彼女とは恋愛というよりも友達みたいなイメージしか抱けなかった。
結論としては、今後、薫子さんと発展的な関係は築けないと思う。だから、交際中止を選択した。
そして、妹の様にしか思えなかったうららさんとの関係も終わりにすることにした。
これには、かなりの葛藤があった。ここで関係を終わらせてしまうと二度と会うことはできない。
もしかすると、自分はものすごく馬鹿なことをしているのかもしれない。しかしながら、自分が納得する相手と一緒になりたいという気持ちが強かったので、終了を選択した。
いま考えると、3ヶ月の交際期間があるので、もっと引き伸ばしても良かったかなと思う。ただ、いたずらに時間をかけるのはお互いにとってプラスではないので、次へ進むことにした。
セカンドコンタクト1
ファーストコンタクトのラッシュは依然として続いているが、交際成立した方との付き合いも同時並行で始まった。
前回のファーストコンタクトでお会いした詩織さんからは数日後に「YES」回答があったとコンシェルジュから連絡があった。
コンシェルジュからのそのメールを見た瞬間、「やったー!!」という言葉とともに、心の中でガッツポーズをしてしまった。
早速、開示された連絡先にメールを送って2回目の約束を取り付けた。
パートーナエージェントではファーストコンタクトでお互いに「YES」回答をすると交際成立となる。
この交際は一般で言われている恋人の関係ではなく、知り合いになった程度の段階である。交際期間は最大で3ヶ月あり、その間に真剣に交際を進めるかどうかを決めないといけない。
これまでに交際が成立したうららさんと、薫子さん、詩織さんとは、今後はデートを重ねていかないといけない。
それと並行して、ファーストコンタクトも1日2人ペースで予定が入っているので、ものすごくハードである。
「これが婚活疲れというやつか」
ものすごく大変だけど、自分の未来を決めるために活動していることなので充実感はある。
そして、交際成立後に日々、メールでやりとりしていたうららさんとご飯に行くことになった。
なるべく女性受けが良い料理を選ぼうと思い、エスニックな料理を扱う店を選んだ。
当日は18時に初回にお会いした駅で待ち合わせをした。
2人とも2回目ということもあり、初回よりは緊張が解けた状態で会えた。
そして、ご飯を食べながら、最近の仕事の話や共通の趣味である読書について話しながら2時間ほど一緒に過ごした。
うららさんとは、ある程度話も合うし、会話はできている。おそらく、ある程度、彼女も楽しんでくれたと思う。
しかしながら、自分の中では詩織さんの時の様な盛り上がるものが感じられない。年齢差が少しあるので、恋人というより妹みたいなイメージになってしまう自分がいる。
この感情のままで、今後、二人の関係性に発展があるのだろうかと思いながら家路へ着いた。