38歳僕の婚活日誌

婚活から結婚、子育ての日々。そして、新たな命の誕生

タイムリミット婚活2

鈴香さんとのファーストコンタクトが終了し、交際が成立した。

2回目という事で、今度は食事へ誘ってみた。場所は都内のイタリアン料理。

このお店はパートーナーエージェントの婚活だけでなく、以前から女性と会う際に重宝させてもらっている場所だ。

予約しなくても入れるし、料理も美味しく、席によっては景色も良いというのが活用する理由だ。

鈴香さんとは、土曜日の夜に待ち合わせをしてお店へ向かった。

前回と今回の間で彼女は旅行へ行ったらしく、お土産をもらった。

こんな感じで自分に対して特別な計らいをしてもらうと、一気に好感度は上がってしまう(自分は単純だなあ)

今回は料理を食べながら、鈴香さんが行ってきた旅行の話や、お互いの近況について報告し合った。

そして、一通り話が終わり、まったりしたムードになった時に鈴香さんが急に
「私、今月で退会する予定なので、もし、よろしかったら今月中に退会しませんか?」

鈴香さんの言葉に驚いた。あまりにも唐突な発言過ぎて、驚いた口がふさがらなかった。
「今月中に退会?」

まだ、世間一般でのお友達状態の「交際中」にも関わらず、今月中にパートーナーエージェントを二人で成婚退会しようという申し出だった。

ここまで自分を思っていてくれるのは嬉しいが、まだ期間が短いので彼女の人となりが分からない。

また、同時期に並行してファーストコンタクトもしているし、交際中の人もいる。とても今月中に決められるとは思えない。

この場で結論を出すべきではないと思ったので、「検討する」と言って、この場は切り抜けた。

彼女は本気で退会するつもりなのだろうか。
退会するなら、なぜ活動する?
そんな疑問に頭を支配されながら帰りの電車に乗った。

タイムリミット婚活1

前回までの詩織さんと会っていた間に、会うことになったファーストコンタクトのはなし。

今回お会いするのは31歳の医療系で働かれている方。彼女のことは鈴香さんと呼ぼう。

鈴香さんとの待ち合わせは渋谷だった。
現在の渋谷はいろいろと再開発をしていてかなり分かりにくいので、出来るだけ目印が分かりやすい場所を選んだ。

待ち合わせ時間になると、マキシマムのロングスカート姿で彼女は現れた。

少し小柄ではあるが、スタイルが良く綺麗系の顔立ちをしている方だ。

早速、近くの喫茶店に入って会話を始めた。待ち合わせ時間が午前中だったこともあり、お店にはすんなりと入ることが出来た。渋谷はものすごく人が多いので、午前なら今回のように大丈夫なのかもしれないが、午後の待ち合わせになると、喫茶店探しで苦労するかもしれない。

鈴香さんとは、お互いにゲームが好きだということが分かり、彼女は結構詳しかったので、それに関する話ばかりしてしまった。

詩織さんとのときと比べるとしっくり感は薄いが、話していて結構楽しかった。彼女とならば、他にもいろいろな事を話せそうだと感じた。

ファーストコンタクトが終わり、スマホで「YES」回答をすると、その日の内に交際が成立した。

今後に発展するかどうかは分からないが、次は食事に誘ってみよう。そう思える出会いだった。

恋は花火とともに7

詩織さんとの4回目のデートで衝撃的な告白を受けた。それは、今後再発の可能性がある病気を抱えているとのことだった・・・

考えた。悩んだ。
誰かに相談したいと思った。

しかし、たとえ誰かに相談したとしても、最後に決めるのは自分だ。他人に決定の責任を負わせるわけにはいかない。

詩織さんには前回に会った後に、考える時間が欲しいと伝えている。

最終的には自分がこの現実を受け入れて生きるか、別の道を探すかだ。

受け入れた場合、もしかすると再発して看病や先に亡くなってしまうかもしれない。そのときに、子供がいたらどうする?

親は遠いし、年齢も重ねているので預けるのは難しい。そうなると、1人で育てるしかない。自分にできるのか?

別の道を探した場合はどうだろうか?
詩織さんのようにしっくりくる相手に巡り会えるのだろうか。

詩織さんと出会うまで20人ぐらいの人と会った。その後も新たの人と会っているが、同じような印象を持てる人はいなかった。

そうなると、50人に1人り、100人に1人、もしくは、今後は巡り会えないかもしれない。

別の道を探した場合は結婚できない可能性もある。

この二つの選択肢を考えていると、頭が一杯になり仕事も何もかも手につかなくなる。

こんな感じで1週間悩んだ。
そして、ある結論に達した。

自分は詩織さんの運命を受け入れられるほど強くはない。

長い期間を付き合っていれば情も移るので、このような結論には至らなかっただろう。婚活という彼女との薄い関係だからこそ、まだ解消することができる。

男らしくない、
ひどいやつだ、
いろいろな罵詈雑言が自分の中から吐き出される。

しかし、自分の人生を考えるならば、ここでリスクを取るよりは別の選択肢を探したい。

自分の夢、何のために婚活しているかというと「温かい家庭をつくりたい」という事を思い出した。

この結論には正解はない。
ただ言えるのは、自分の夢を全力で追い求めなければならない。そう心に誓った。

恋は花火とともに6

詩織さんとの4回目のデート。映画終わりに食事をしていると、彼女は急に真剣な顔つきで、「今後に向けて話しておきたいことがあります」と言ってきた。

内容は衝撃的だった。
彼女によると、数年前に疾患により大きな手術をしたとのこと。そして、もしかすると再発するかもしれないという内容だった。

ここまま二人の関係をさらに発展させて順調に進めればと思っていただけにショックは大きい。

聞いた途端、目の前が真っ暗になった。
お先真っ暗とはこういう事を言うのだろう。そんな事実を抱えていたとは。

確かに、彼女は可愛くて、愛嬌がたっぷりで、頭も良いので、一般生活でも出会いがありそうな感じはしていた。しかし、これまで会ってきた方々にも綺麗な人はいたので、このような理由を抱えているとは思わなかった。

むしろ、今まで会った人の中では、ものすごくしっくりきたので、出会えたのは運命だと思っていた。

そうか、こういう事実があったのか・・・
彼女もこのような状況になってしまい、辛いに違いない。そして、今の段階でこの事実を伝えてくれるということは、彼女も自分に対して本気になりかけているのだろう。

本気で考えてくれるのは嬉しい。後は、自分がこの事実を受け入れられるかどうかにかかっている。

テレビドラマや映画では主人公はこの事態を受け入れて、彼女と手と手を取り合って生きていく方がドラマチックな展開を見せることが多い。

しかし、現実ではどうだろうか。

人間は30を越えれば、体のどこかで何かしらのガタは来る。彼女が患った病は自分にだっていつか起こる可能性はある。

このまま再発しなければ問題はない。しかしながら、再発してしまったとき、縁起でもないけど、彼女がもし先に亡くなってしまったときに、自分は耐えられるのか。

もし、そのときに子供がいたらシングルファーザーとして育てないといけない。また、彼女の病気を詳しく聞いてないから分からないが、遺伝性がある場合は子供も発症するリスクがある。

自分にはそれを背負っていける覚悟があるのだろうか?

自分にこの事を問いながら帰路を急いだ。

恋は花火とともに5

詩織さんとの3回目の花火デートは無事終わった。

実は次回の約束も帰り際にできたので感触としては大丈夫だと思う。帰り道が混雑していたこともあり、手を握ることもできた(//∇//)(中学生か!?)

次に会うのは翌週の週末。今度は映画に行くことになったので、観る映画をいくつか探してみた。

アクションもの、コメディー、恋愛などいろいろなジャンルがある。いっそのこと、恋愛系かなと考えてはみたが、婚活中の男女が見るのは露骨すぎるような感じがしたので、邦画でストーリーが充実しているものを選んだ。

今回の待ち合わせは、都内の繁華街。
休日ということもあり、街は人でごった返している。

実は今回の待ち合わせ場所は初回と同じところだった。そこで待っていると、初回のシーンを思い出してほくそ笑んでしまう。

初回のシーンはこちら

bokukonkatsu.hatenablog.com

 

しばらくすると、待ち合わせ時間に合わせて詩織さんがやって来た。

本日は夏仕様の服装でスカートを着ていて可愛らしい(女性のファッションに対する語彙力がなくて表現できません・・・)

軽く挨拶を交わしてから、本日観る予定の映画館へと足を進めた。

映画館はお互いに無言になってしまうけど、その人らしさが出る空間でもあると思う。映画中に飲食をするか、しないか、エンドロールが始まったら出る準備をするのか、終わるまで動かないか。こういうところが合った方が相性が良さそうな気がする。

映画を楽しんだ後に、今回はフレンチ系のお酒が飲めるお店に入った。

しばらく二人で映画の感想や、近況などを話していると、詩織さんが急に真剣な顔つきで「今後に向けて話しておきたいことがあります」と言ってきた。

恋は花火とともに4

詩織さんとの3回目は花火デート。
待ち合わせ場所に向かうと彼女は浴衣姿だった。

詩織さんの着飾った浴衣姿を見て、彼女の本気度を感じた。そして、男として応えないといけないと心の中で思った。

周りの人たちは一斉に花火会場の海岸の方へ向かって歩いている。その流れの中で、二人だけ沈黙の時間が流れた。

「浴衣で来るなんて言ってなかったから驚いた」と言うと、彼女は、はにかんだ笑顔を返してくれた。

僕らも花火の見える場所を探すべく海岸の方へ向かった。

周りは山のような人でごった返している。浴衣で早くは動きにくい彼女を先導する形で、場所を探すために人混みの中を掻き分けて進んで行った。

花火が見えそうな場所を数カ所巡り、最終的には打ち上げ場所からは少し遠いが、よく見える場所を確保した。

しばらくすると、夏の夜空に花火が打ち上がり、大きな花を咲かせた。

女性と花火を見る機会が、これまでほとんど無かったので、この時間とこの空間を過ごせることが嬉しかったし、なおかつ、その相手が詩織さんという事実が嬉しくてたまらなかった。

1時間ほどして花火が終わると、周りの人々が帰るために一斉に動き出した。

僕らも遅れを取らないように、その流れに乗るべく歩き始める。この人混みの中ではぐれないように、詩織さんの手をしっかりと握った。